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テマン人エリファズは話し始めた。
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あえてひとこと言ってみよう。あなたを疲れさせるだろうが誰がものを言わずにいられようか。
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あなたは多くの人を諭し力を失った手を強めてきた。
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あなたの言葉は倒れる人を起こしくずおれる膝に力を与えたものだった。
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だが、そのあなたの上に何事かふりかかるとあなたは弱ってしまう。それがあなたの身に及ぶと、おびえる。
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神を畏れる生き方があなたの頼みではなかったのか。完全な道を歩むことがあなたの希望ではなかったのか。
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考えてみなさい。罪のない人が滅ぼされ正しい人が絶たれたことがあるかどうか。
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わたしの見てきたところでは災いを耕し、労苦を蒔く者が災いと労苦を収穫することになっている。
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彼らは神の息によって滅び怒りの息吹によって消えうせる。
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獅子がほえ、うなってもその子らの牙は折られてしまう。
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雄が獲物がなくて滅びれば雌の子らはちりぢりにされる。
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忍び寄る言葉がありわたしの耳はそれをかすかに聞いた。
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夜の幻が人を惑わし深い眠りが人を包むころ
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恐れとおののきが臨みわたしの骨はことごとく震えた。
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風が顔をかすめてゆき身の毛がよだった。
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何ものか、立ち止まったがその姿を見分けることはできなかった。ただ、目の前にひとつの形があり沈黙があり、声が聞こえた。
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「人が神より正しくありえようか。造り主より清くありえようか。
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神はその僕たちをも信頼せず御使いたちをさえ賞賛されない。
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| 19 |
まして人は塵の中に基を置く土の家に住む者。しみに食い荒らされるように、崩れ去る。
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| 20 |
日の出から日の入りまでに打ち砕かれ心に留める者もないままに、永久に滅び去る。
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| 21 |
天幕の綱は引き抜かれ施すすべも知らず、死んでゆく。」
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