祭司職への選任
祭司はアロンの子孫だけ
祭司になれたのは、アロン(預言者モーセの兄)とその子孫だけでした(出. 28:1; 出. 28:4)。
大祭司の職の継承
祭司になれたのは、アロン(預言者モーセの兄)とその子孫だけでした(出. 28:1; 出. 28:4; 出. 29:9)。大祭司の後継者は、七日の間祭服を着せられ、油を注がれました(出. 29:29-30)。職と共に聖なる祭服も受け継がれました(出. 29:29)。部外者が祭司の務めを行おうとすれば、死刑に処せられました(民. 3:10)。
候補者への要求
体に障害があってはなりません(レビ. 21:17-21):
目の不自由な者、
足の不自由な者、
鼻に欠陥のある者、手足の不釣り合いの者、
手足の折れた者、
背中にこぶのある者、
目に欠陥のある者、
できもの、疥癬のある者、睾丸のつぶれた者。
祭司への要求
頭髪をそり上げたり、ひげの両端をそり落としたりしてはならない(レビ. 21:1,5)。
離縁された女(レビ. 21:7)、遊女、身を汚した女(レビ. 21:7)をめとってはならず、大祭司の妻は処女でなければならない(レビ. 21:13-14)。
死者に触れてはならず(レビ. 21:1-4)、大祭司は亡くなった親族にさえ触れてはならない(レビ. 21:10-11)。(レビ. 21:1 の「親族の遺体」は、ヘブライ語原文では「民の中の死者」です。)
大祭司は頭をあらわにしてはならない(レビ. 21:10)。
儀式
概略
いけにえをささげること、洗い清め、油注ぎ(出. 28:41)、動物の血を振りかけること、そして食事によって行われます。聖別には聖なる祭服が必要であり(出. 28:2-3)、それは職と共に受け継がれます(出. 29:29)。
旧約の大祭司の聖別
いけにえ
聖別のためには、傷のない動物をいけにえとしてささげなければならず(出. 29:1)、上等の小麦粉で作った酵母を入れないパンも用います(出. 29:2):
若い雄牛一頭、
雄羊二匹、
オリーブ油を混ぜて焼いた、酵母を入れない輪形のパンと、オリーブ油を塗った薄焼きパン、
上等の小麦粉で作った酵母を入れないパン。
(出. 29:1 の「雄の小羊二匹」は、ヘブライ語原文では אֵילִם שְׁנַיִם —「雄羊二匹」です。)
大祭司と祭司たちは雄牛に手を置き、それから雄牛は臨在の幕屋の入り口で屠られます(出. 29:10-11)(キリストが殺されることの予型)。
祭壇の角には雄牛の血が塗られ、残りはすべて祭壇の基に流されます(出. 29:12)(十字架という祭壇の上でのキリストの苦難の予型)。雄牛の内臓(肝臓、腎臓など)は祭壇で燃やされます(出. 29:13)。雄牛の肉と皮と残りは宿営の外で火で焼かれます。これが贖罪の献げ物です(出. 29:14)。
同じように、大祭司と祭司たちは一匹の雄羊の頭に手を置き(出. 29:15)、それを屠り、その血を祭壇の周りに注ぎかけます(出. 29:16)。雄羊は各部に分割され、内臓が洗われ、祭壇で燃やされます。これが主にささげる焼き尽くす献げ物です(出. 29:17-18)。
また、大祭司と祭司たちはもう一匹の雄羊の頭に手を置き(出. 29:19)、それを屠り(出. 29:20)、その血をアロンとその子らの右の耳たぶ、右手の親指、右足の親指に付け(出. 29:20)、それから血を祭壇の周りに注ぎかけました(出. 29:20)。
祭壇の上の血と聖別の油を、アロンとその子ら、そして彼らの祭服に振りまきました(出. 29:21)。こうして彼らは聖なる者となります。
次に、雄羊の脂肪の部分を取り(出. 29:22)、酵母を入れないパンの籠から一塊のパン、輪形のパン一個、薄焼きパン一個を取り(出. 29:23)、それらをアロンとその子らの手に載せ(出. 29:24)、それから彼らの手から受け取って祭壇で燃やします(出. 29:25)。雄羊の胸の肉もささげられます(出. 29:26-28)。
洗い清め
聖別の前に、水による洗い清めが行われます(出. 29:4)。
祭服を着せること
洗い清めの後、その人に聖なる祭服が着せられます(出. 29:5-6)。祭司たちにも祭服が着せられます(出. 29:8-9)。
頭に油を注ぐこと
祭服を着せた後、その人に油が注がれます(出. 28:41)。油は頭に注ぎかけられます(出. 29:7)。
食事
雄羊の肉は聖なる場所で煮られ(出. 29:31)、それから大祭司と祭司たちは臨在の幕屋の入り口でそれを食べなければなりませんでした(出. 29:32)。一般の人はこの食事にあずかることができませんでした(出. 29:33)。肉が翌朝まで残ったなら、焼き捨てなければなりませんでした(出. 29:34)。
七日間の繰り返し
いけにえをささげ、聖別するこの儀式全体は、七日間繰り返されました(出. 29:35; レビ. 8:33-34)。その結果、祭壇は神聖なものとなり、祭壇に触れるものはすべて聖なるものとなります(出. 29:37)(聖なるものとなったキリストの十字架の予型)。
祭服
目的
威厳と美しさのため、聖別のため(出. 28:2-3)、そして大祭司の職を継承するため(出. 29:29)。
一そろい
大祭司の祭服の一そろいには、次のものが含まれます(出. 28:4):
胸当て、
エフォド(外衣)、
上着、
格子縞に織った長い服(下衣)、
ターバン(頭の覆い)、
飾り帯。
エフォド(袖のない外衣)
金、さまざまな色の毛糸(青、紫、緋色、すなわち赤)、および亜麻のより糸で作られます(出. 28:5-6)。
肩ひも
エフォドは一枚物ではなく、背と前の部分から成っているので、肩の上で「肩ひも」によってつながれます(出. 28:7)。
二本の肩ひものために二つの飾りが作られました(出. 28:12)。金の縁取りをした石です(出. 28:13)。これらの石には、イスラエルの十二部族の名が彫りつけられました(出. 28:9)。一つの石に六つの名、もう一つの石に六つの名を、生まれた順に彫りました(出. 28:10)。石は金で縁取りされ、金の鎖で飾られました(出. 28:13-14)。(出. 28:9 の「ラピス・ラズリ」は、ヘブライ語原文では שֹׁהַם で、オニキス(縞めのう)とも訳されます。)
エフォドの縁のどこか、おそらく付け帯の近くに、胸当てを結び付けるための二つの環がありました(出. 28:28)。
付け帯(飾り帯)
織った付け帯はエフォドの上に締められ、同じ材料、すなわち青、紫、緋色の毛糸と亜麻のより糸で作られます(出. 28:8)。飾り帯はつづれ織でした(出. 28:39)。
胸当て
二重にした真四角な布です(出. 28:16)。寸法は約23 × 23 cm(縦横それぞれ一ゼレト)です(出. 28:16)。ゼレトは、広げた手の親指と小指の間の長さで、約23 cmです。エフォドと同じ材料(金、毛糸、亜麻)で作られます(出. 28:15)。
この布には12の宝石が付けられます。それらは一列に3つずつ挙げられています(全部で4列、出. 28:17。宝石の名は新共同訳による):
石には、イスラエルの十二部族の名が、一つの石に一つずつ彫りつけられました(出. 28:21)。
胸当ては肩ひもに結び付けられました(出. 28:23)。そのために、胸当ての上の二つの端には金の環があり(出. 28:23)、そこに純金の(出. 28:22)鎖が通され(出. 28:24)、鎖のもう一方の端は肩ひもの前側に結び付けられました(出. 28:22; 出. 28:25)。
胸当ての下の二つの端には4つの金の環がありました。二つは内側(エフォドの側)に(出. 28:26)、二つは外側にありました(出. 28:27)。これらの環によって、胸当ては青いねじりひもで(出. 28:28)エフォドの環に結ばれ(出. 28:28)、付け帯の上にとどまって、エフォドからはずれないようにされました(出. 28:28)。
胸当ては、聖所(神殿)に入るたびに着けられました(出. 28:29)。
ウリムとトンミム
胸当ての中には(二重にした布でできていたので)、契約の箱の中のように、神秘的な物が入れられました(レビ. 8:8)。ウリムとトンミム[1][2]で、教会スラヴ語訳では「顕示と真理」です(出. 28:30、教会スラヴ語訳)。大祭司はそれらを胸に帯びていなければなりませんでした(出. 28:30)。
上着
青一色の布で作られます(出. 28:31)。上着には頭を通す穴がなければなりません(出. 28:32)。穴のへりは、破れないように縁取りされます(出. 28:32)。
上着の下の裾には、青、紫、緋色の毛糸でざくろの飾りが付けられ(出. 28:33)、ざくろの間には金の鈴が付けられます(出. 28:33)。ざくろ、鈴、ざくろ、鈴と、裾の回りに付けます(出. 28:34)。
ターバン(頭の覆い)
ターバンは亜麻で作られます(出. 28:39)。
金の額当て
ターバンには純金の額当てが付けられ、そこには「主の聖なる者」と彫られていました(出. 28:36)。(ヘブライ語原文では קֹדֶשׁ לַיהוָה —「主に聖なるもの」です。)額当ては青いねじりひもでターバンの正面に結ばれ(出. 28:37)、額の位置にあります(出. 28:38)。
長い服
長い服は亜麻で作られます(出. 28:39)。その下には、腰から腿までを覆う亜麻布のズボンを着けます(出. 28:42)。
一般の祭司
一般の祭司の祭服については、詳しい記述はありません。祭服は、威厳と美しさのために彼らのために作られます(出. 28:40)。
祭司は長い服(出. 28:40)、飾り帯(出. 28:39-40)、ターバン(出. 28:40)を持たなければなりません。
これらの祭服は、臨在の幕屋にいるとき、また聖所(神殿)で務めをするときに着るものです(出. 28:43)。
いけにえ
毎日、臨在の幕屋の入り口で(出. 29:42)、一歳の小羊二匹をささげなければなりません(出. 29:38)。朝に一匹、夕暮れに一匹です(出. 29:39)。(出. 29:38 の「雄羊」は、ヘブライ語原文では כְּבָשִׂים —「小羊」です。)
小羊と共に、小麦粉、オリーブ油、ぶどう酒がささげられます(出. 29:40)。
いけにえをささげる場所は、神の栄光によって聖別されます(出. 29:43)。