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イエスは、再び湖のほとりで教え始められた。おびただしい群衆が、そばに集まって来た。そこで、イエスは舟に乗って腰を下ろし、湖の上におられたが、群衆は皆、湖畔にいた。
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イエスはたとえでいろいろと教えられ、その中で次のように言われた。
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「よく聞きなさい。種を蒔く人が種蒔きに出て行った。
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蒔いている間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べてしまった。
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5 |
ほかの種は、石だらけで土の少ない所に落ち、そこは土が浅いのですぐ芽を出した。
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しかし、日が昇ると焼けて、根がないために枯れてしまった。
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7 |
ほかの種は茨の中に落ちた。すると茨が伸びて覆いふさいだので、実を結ばなかった。
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8 |
また、ほかの種は良い土地に落ち、芽生え、育って実を結び、あるものは三十倍、あるものは六十倍、あるものは百倍にもなった。」
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9 |
そして、「聞く耳のある者は聞きなさい」と言われた。
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10 |
イエスがひとりになられたとき、十二人と、イエスの周りにいた人たちとがたとえについて尋ねた。
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11 |
そこで、イエスは言われた。「あなたがたには神の国の秘密が打ち明けられているが、外の人々には、すべてがたとえで示される。
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12 |
それは、『彼らが見るには見るが、認めず、聞くには聞くが、理解できず、こうして、立ち帰って赦されることがない』ようになるためである。」
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13 |
また、イエスは言われた。「このたとえが分からないのか。では、どうしてほかのたとえが理解できるだろうか。
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14 |
種を蒔く人は、神の言葉を蒔くのである。
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15 |
道端のものとは、こういう人たちである。そこに御言葉が蒔かれ、それを聞いても、すぐにサタンが来て、彼らに蒔かれた御言葉を奪い去る。
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16 |
石だらけの所に蒔かれるものとは、こういう人たちである。御言葉を聞くとすぐ喜んで受け入れるが、
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17 |
自分には根がないので、しばらくは続いても、後で御言葉のために艱難や迫害が起こると、すぐにつまずいてしまう。
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18 |
また、ほかの人たちは茨の中に蒔かれるものである。この人たちは御言葉を聞くが、
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19 |
この世の思い煩いや富の誘惑、その他いろいろな欲望が心に入り込み、御言葉を覆いふさいで実らない。
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20 |
良い土地に蒔かれたものとは、御言葉を聞いて受け入れる人たちであり、ある者は三十倍、ある者は六十倍、ある者は百倍の実を結ぶのである。」
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21 |
また、イエスは言われた。「ともし火を持って来るのは、升の下や寝台の下に置くためだろうか。燭台の上に置くためではないか。
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22 |
隠れているもので、あらわにならないものはなく、秘められたもので、公にならないものはない。
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23 |
聞く耳のある者は聞きなさい。」
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24 |
また、彼らに言われた。「何を聞いているかに注意しなさい。あなたがたは自分の量る秤で量り与えられ、更にたくさん与えられる。
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25 |
持っている人は更に与えられ、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。」
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26 |
また、イエスは言われた。「神の国は次のようなものである。人が土に種を蒔いて、
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27 |
夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。
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28 |
土はひとりでに実を結ばせるのであり、まず茎、次に穂、そしてその穂には豊かな実ができる。
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29 |
実が熟すと、早速、鎌を入れる。収穫の時が来たからである。」
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30 |
更に、イエスは言われた。「神の国を何にたとえようか。どのようなたとえで示そうか。
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それは、からし種のようなものである。土に蒔くときには、地上のどんな種よりも小さいが、
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32 |
蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る。」
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33 |
イエスは、人々の聞く力に応じて、このように多くのたとえで御言葉を語られた。
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34 |
たとえを用いずに語ることはなかったが、御自分の弟子たちにはひそかにすべてを説明された。
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その日の夕方になって、イエスは、「向こう岸に渡ろう」と弟子たちに言われた。
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そこで、弟子たちは群衆を後に残し、イエスを舟に乗せたまま漕ぎ出した。ほかの舟も一緒であった。
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37 |
激しい突風が起こり、舟は波をかぶって、水浸しになるほどであった。
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38 |
しかし、イエスは艫の方で枕をして眠っておられた。弟子たちはイエスを起こして、「先生、わたしたちがおぼれてもかまわないのですか」と言った。
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39 |
イエスは起き上がって、風を叱り、湖に、「黙れ。静まれ」と言われた。すると、風はやみ、すっかり凪になった。
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40 |
イエスは言われた。「なぜ怖がるのか。まだ信じないのか。」
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41 |
弟子たちは非常に恐れて、「いったい、この方はどなたなのだろう。風や湖さえも従うではないか」と互いに言った。
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