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さて、夕刻になり、ホロフェルネスの従者たちは急いで帰って行った。バゴアスは天幕を外から閉め、そばに仕える者たちをも主君の前から退かせた。皆、酒宴が長引いて疲れていたので、おのおの寝床に立ち去った。
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2 |
天幕にはユディト一人が残された。ホロフェルネスはぶどう酒を浴びるほど飲んで、寝台の上に倒れ伏していた。
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3 |
ユディトははしために、いつものとおり彼女の寝室の外に立って自分が出て来るのを待つように言いつけた。はしためには、祈りに行くと言ってあったのである。バゴアスにも同じことを伝えてあった。
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4 |
皆が去り、上の者も下の者もだれ一人寝室に残っている者はなかった。ユディトはホロフェルネスの寝台の傍らに立ち、心の中で祈った。「全能の神なる主よ、エルサレムの栄光のために行うこの手の業に、今こそ、御目を留めてください。
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5 |
今こそ、代々受け継いだあなたの遺産を救う時、わたしの任務を遂行して、わたしたちに襲いかかる敵を粉砕する時です。」
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彼女はホロフェルネスの枕もとの、寝台の支柱に歩み寄り、そこにあった彼の短剣を抜き取った。
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そして、寝台に近づくと彼の髪をつかみ、「イスラエルの神なる主よ、今こそ、わたしに力をお与えください」と祈って、
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力いっぱい、二度、首に切りつけた。すると、頭は体から切り離された。
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9 |
ユディトは体の方を寝台から転がし、天蓋の垂れ絹を柱から取り外した。そして猶予せずに外へ出て、侍女にホロフェルネスの首を手渡すと、
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侍女はそれを食糧を入れる袋にほうり込んだ。そして二人は、いつものとおり祈りに行くかのようにして出ていった。ユディト、ベトリアに帰るさて、二人は陣営を通り抜けると、いつもの谷を迂回し、ベトリアの山を登って町の門にたどりついた。
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ユディトは遠くから門の上の番兵たちに叫んで言った。「開けてください。どうぞ門を開けてください。神は、わたしたちの神はわたしたちと共におられ、今もなおイスラエルの中で力を現し、敵に対してはその威力を発揮しておられます。今日、そのことを示してくださったのです。」
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12 |
町の人々はその声を聞くと町の門に急いで下って来た。そして町の長老たちが召集された。
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13 |
大人も子供も皆、駆け集まった。ユディトが帰って来るなどとは、信じられないことだったのである。彼らは門を開けて彼女らを迎え入れ、かがり火をたいて明るくし、二人の周りに集まって来た。
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ユディトは声を張り上げて言った。「神をたたえなさい。ほめたたえなさい。神をたたえなさい。神はイスラエルからその憐れみを取り去ることなく、かえって今夜、この手をもってわたしたちの敵を滅ぼしてくださいました。」
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そして袋から首を取り出し、それを人々に示して言った。「御覧なさい。アッシリア軍の総司令官ホロフェルネスの首です。御覧なさい。彼はこの垂れ絹の中で酔いつぶれていました。主は女の腕をもって彼を討たれたのです。
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16 |
わたしの歩む道を守ってくださった生ける主に誓って申します。わたしの容色は彼を魅了し、滅ぼしましたが、この身が汚され、辱められるようなことは決してありませんでした。」
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人々は皆、すっかり感嘆し、身をかがめて神を礼拝しつつ、心を合わせて言った。「今日この日、御民の敵を無力なものとされた我らの神よ、あなたに感謝いたします。」
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18 |
オジアは彼女に言った。「娘よ、あなたは地上のすべての女にまさっていと高き神に祝福された者。天と地を造られた神なる主をほめたたえよう。主はあなたを導き、敵の大将の首を討たせてくださった。
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19 |
人々が神の力を思い起こすときあなたの抱いたその確信が彼らの心から失われることは決してあるまい。
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20 |
神がこれをあなたの永遠の誉れとし、数々の恵みをもって顧みてくださるように。それは、この民が卑しめられるのを見てあなたは命を惜しむことなく神の御前をまっすぐに歩み、我々の破局を防いでくれたからだ。」人々は皆、「そうです、そのとおりです」と答えた。
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