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太陽の下に、次のような不幸があって、人間を大きく支配しているのをわたしは見た。
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2 |
ある人に神は富、財宝、名誉を与え、この人の望むところは何ひとつ欠けていなかった。しかし神は、彼がそれを自ら享受することを許されなかったので、他人がそれを得ることになった。これまた空しく、大いに不幸なことだ。
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3 |
人が百人の子を持ち、長寿を全うしたとする。しかし、長生きしながら、財産に満足もせず死んで葬儀もしてもらえなかったなら流産の子の方が好運だとわたしは言おう。
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4 |
その子は空しく生まれ、闇の中に去りその名は闇に隠される。
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5 |
太陽の光を見ることも知ることもない。しかし、その子の方が安らかだ。
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6 |
たとえ、千年の長寿を二度繰り返したとしても、幸福でなかったなら、何になろう。すべてのものは同じひとつの所に行くのだから。
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7 |
人の労苦はすべて口のためだがそれでも食欲は満たされない。
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8 |
賢者は愚者にまさる益を得ようか。人生の歩き方を知っていることが貧しい人に何かの益となろうか。
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9 |
欲望が行きすぎるよりも目の前に見えているものが良い。これまた空しく、風を追うようなことだ。
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10 |
これまでに存在したものはすべて、名前を与えられている。人間とは何ものなのかも知られている。自分より強いものを訴えることはできない。
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11 |
言葉が多ければ空しさも増すものだ。人間にとって、それが何になろう。
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12 |
短く空しい人生の日々を、影のように過ごす人間にとって、幸福とは何かを誰が知ろう。人間、その一生の後はどうなるのかを教えてくれるものは、太陽の下にはいない。
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