1 |
わたしがこれらのことを言い終えると、前の夜に遣わされた天使が再びわたしのところに遣わされて来た。
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2 |
天使は言った。「エズラ、立ちなさい。わたしがあなたに告げに来た言葉を聞きなさい。」
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3 |
わたしは言った。「わが主よ、お話しください。」天使は言った。「海は広い場所に置かれていて、深く限りない。
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4 |
しかし、その入り口は狭い場所にあって、川のようである。
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5 |
もしだれかが、海を見たり航海したりするために海に入ろうとしても、その狭い場所を通らなければ、どうして広い海原に行けるだろうか。
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6 |
たとえをもう一つ。ある町が平らな地に建てられており、そこにはあらゆる物が豊富にある。
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7 |
しかし、町の入り口は狭く、険しいところにあり、右に火が、左に深い淵がある。
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8 |
その間、すなわち水と火の間には、たった一本の道しかなく、しかもそれは一人の人がやっと通れるくらいの小道である。
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9 |
もしこの町が、ある人に遺産として与えられたとしても、その人が、目前の危険を乗り越えなければ、どうしてその遺産を相続できるだろうか。」
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10 |
わたしは言った。「主よ、そのとおりです。」天使は言った。「イスラエルの相続分もこのようなものである。
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11 |
わたしは彼らのために世を造った。アダムがわたしの戒めを破ったとき、被造物が裁かれた。
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12 |
そして、この世の出入り口は、狭く、悲しみと労苦に満ちたものとなり、またその数も少なく、状態も悪く、危険をはらみ、大きな困難を強いるものとなった。
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13 |
しかし大いなる世への入り口は、広く安全で、不死の実をもたらしてくれる。
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14 |
だから、生きている者は、この狭くむなしい所に入らなければ、備えられたものを受けることができないのである。
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15 |
それなのになぜあなたは、自分が朽ちるべきものだといって、心を乱すのか。なぜ、自分が死ぬべきものだといって、動揺するのか。
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16 |
なぜ、今あるものにだけ心を留めて将来のものに心を留めないのか。」
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17 |
わたしは答えた。「統べ治める方、主よ、あなたは、これらのものを受け継ぐのは正しい人々であり、不敬虔な人々は滅びると、律法に定められました。
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18 |
正しい人々は広い所を希望しつつ、狭い所に耐えています。不敬虔に生きた者は、狭さに苦しみながら、広い所をも見ることはできませんでした。」
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19 |
天使は言った。「あなたは主にまさる裁き手でもなく、いと高き方より賢くもない。
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20 |
人々に与えられた神の律法が軽んじられるくらいなら、今いる多くの人々が滅びる方がましである。
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21 |
主は、人々がこの世に生まれて来る度に、どうしたら生き永らえるか、何を守れば罰せられないで済むかを、諭された。
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22 |
しかし人々は言うことを聞かず、主に逆らい、自分勝手にむなしいことを考え出し、
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23 |
邪悪な欺きを企てた。そしていと高き方は存在しないと豪語し、その道を認めなかった。
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24 |
また、律法を軽んじ、契約を拒み、その戒めに忠実でなく、いと高き方の御業を行わなかった。
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25 |
このゆえに、エズラよ、むなしい者にはむなしいものが与えられ、豊かな人々には豊かなものが与えられるのである。
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26 |
見よ、その時がやって来る。その時には、わたしが予告したしるしが現れ、町が花嫁となって姿を見せ、今はまだ隠されている地が見えてくる。
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27 |
わたしが予告した悪から救われた人は皆、わたしのこの不思議な業を見る。
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28 |
すなわち、わが子イエスが、彼に従う人々と共に現れ、生き残った人々に四百年の間喜びを与える。
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29 |
その後、わが子キリストも息ある人も皆死ぬ。
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30 |
そして世は、初めのときのように、七日間、太古の静寂に戻り、一人も生き残ってはいない。
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31 |
七日間が過ぎたとき、まだ目覚めていない世は揺り起こされて、朽ちるべき世界は滅びる。
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32 |
大地は地中に眠る人々を地上に返し、塵はその中に黙して住んでいる人々を戻し、陰府の部屋はそこに預けられていた魂を外に出す。
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33 |
そしていと高き方が、裁きの座に姿を現す。もはや憐れみはなく、寛大さは跡形もない。
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34 |
そこには裁きあるのみである。真理は立ち、信仰は力を得る。
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35 |
そして、裁きは執行され、報いが示される。正義は目覚め、不正は眠っていられなくなる。
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36 |
懲らしめの穴が現れ、その反対側には安息の場所がある。また、地獄のかまどが示され、その反対側には喜びの楽園が見える。
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37 |
そのとき、いと高き方は、揺り起こされた諸民族に告げる。『よく見て、思い知れ、あなたたちが拒んだのはだれなのか、だれに仕えなかったのか、だれの心遣いを軽んじたのかを。
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38 |
あちらとこちらとを見比べるがよい。こちらには喜びと安らぎがあり、あちらには火と懲らしめがある』と。これが裁きの日に彼らに告げられる主の言葉である。
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39 |
その日には、太陽も月も星もなく、
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40 |
雲も雷も稲妻もなく、風も水も大気もなく、闇も夕暮れも朝もない。
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41 |
また、夏も春も暑さもなく、冬も霜も寒さもなく、雹も雨も露もない。
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42 |
真昼も夜も夜明けもなく、きらめきも、明るさも、光もない。ただあるのはいと高き方の栄光の輝きのみであり、この輝きによって、人は皆、自分の目の前にあるものを見る。
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43 |
その期間は七年である。
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44 |
これがわたしの裁きであり、裁きの定めである。わたしはあなたにだけ、これを示したのである。」
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45 |
わたしは答えた。「主よ、前にも申しましたが、今また申します。今、あなたの定めを守って生きている人々は幸いです。
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46 |
しかし、わたしが祈った人たちはどうでしょう。今生きている人々の中で、罪を犯さなかった者がいるでしょうか。生まれて来た人々の中で、あなたの契約を破らなかった者がいるでしょうか。
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47 |
わたしは、今分かりました。来るべき世に喜びを受けるのはごくわずかな人々であり、多くの人々は懲らしめを受けるのです。
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48 |
実にわたしたちの中には悪い心が増大し、あなたの定めからわたしたちを引き離し、腐敗へと導き、また、わたしたちに死への旅路、滅びへの道を示して、わたしたちを生命から遠ざけたからです。しかもそれは少数の人ではなく、造られた人ほとんどすべてなのです。」
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49 |
天使は答えた。「よく聞きなさい。あなたに教えよう。次の事柄について誤りを正そう。
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50 |
まさにあなたが言った理由のゆえに、いと高き方は一つではなく、二つの世を造られたのである。
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51 |
正しい人は多くはなく、むしろ少数であり、その一方で不敬虔な人が増えているとあなたは言ったが、この問題の答えを聞きなさい。
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52 |
もしあなたが宝石をごくわずかしか持っていなかったとしたら、それを増やすためにあなたは、鉛や土をこれに加えるであろうか。」
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53 |
わたしは言った。「主よ、そんなことはできません。」
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54 |
そこで天使は言った。「更に進んで地に尋ねてみよ。答えてくれるだろう。丁重に尋ねてみれば、語ってくれるだろう。
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55 |
地に言いなさい。『金と銀と銅と鉄と鉛と粘土を造り出している。
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56 |
しかし、銀は金よりも多く、銅は銀よりも多く、鉄は銅よりも多く、鉛は鉄よりも多く、粘土は鉛よりも多い。』
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57 |
あなたは、たくさんあるものとわずかしかないものとで、どちらが高価で望ましいと思うか。」
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58 |
わたしは言った。「統べ治める方、主よ、ふんだんにある方は価値がなく、少ないものほど価値があります。」
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59 |
天使は答えた。「このことから引き出される結論をよく考えなさい。手に入れにくいものを持っている人は、いくらでも手に入るものを持っている人よりも大きな喜びを味わうものである。
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60 |
わたしも、約束した新しい創造を行うときに、わずかしかいなくとも救われる人たちのことを喜ぶだろう。彼らは今やわたしの栄光を優先させ、今やわたしの名をたたえるようになったからである。
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61 |
わたしは、滅びに至る多くの人々のために嘆いたりはしない。彼らは、霧のようであり、炎や煙に等しい者である。焼かれて、燃え上がり、消えてしまったのだ。」
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62 |
わたしは言った。「ああ、大地よ、お前は何を生み出したのか。もし知性が他の被造物とおなじように塵から造られたのなら、
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63 |
塵そのものも生じない方がよかったであろう。そうすれば、知性が塵から生まれてくることもなかったからだ。
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64 |
しかし、今や知性は、わたしたちと共に成長し、このためにわたしたちは苦しめられるのだ。自分たちが滅びることを知りつつ滅びるからである。
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65 |
人類は嘆き、野の獣は喜ぶがよい。生まれてきた人間は皆嘆き、獣と家畜は楽しむがよい。
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66 |
獣の方がわたしたちよりはるかにましなのだから。獣は裁きを待つこともなく、死んだ後に約束されている苦しみや救いを知ることもないからである。
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67 |
懲らしめにさいなまれることになるなら、救いの約束は何の役に立つであろうか。
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68 |
生まれ出た人は皆、不正に染まり、罪に満ち、過ちの重荷を負っているからである。
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69 |
もし、わたしたちが、死んで後に裁きを受けなくてもよかったのなら、恐らくもっと幸せだったかもしれない。」
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70 |
天使は答えた。「いと高き方は、この世とアダムと、アダムから生まれたすべての人々を造られるに際して、まず、裁きと裁きにかかわることを前もって備えられたのである。
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71 |
さて、あなたは知性が自分たちと共に成長すると言ったが、このことから問題の解決が得られる。
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72 |
地に住む人たちは、懲らしめを受ける。彼らは知性を持ちながら不正な行いをし、戒めを受けながらそれを守らず、律法を与えられていながらそれをないがしろにしたからである。
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73 |
彼らはいったい、裁きの際に何と申し開きするだろうか。終末の時にどう答えようというのだろうか。
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74 |
いと高き方は、どんなに長期間、世に住む人々のことを寛大に耐えられたことだろう。それも彼らのためではなく、あらかじめ定められた時のためである。」
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75 |
わたしは答えた。「主よ、もし、御好意にあずかっているのでしたら、僕に教えてください。死んだ後でも、あるいは今でも、もし、わたしたちがおのおの自分の魂をお返ししたなら、あなたが新たに天地を創造されるときまで、わたしたちは安らぎの中でしっかりと守られることになるのでしょうか、あるいは、すぐに懲らしめを受けるのでしょうか。」
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76 |
天使は答えた。「そのことも教えよう。しかし、あなたは自分が律法をあざけった人々の一人であると思ったり、苦しみを受けるべき人々の一人であると考えたりしてはならない。
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77 |
あなたの行いの宝は、いと高き者のもとに蓄えられているからである。もっともその宝は、終わりの時にならなければあなたに示されることはない。
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78 |
さて、死についての話をしよう。ある人が死ぬという最終決定をいと高き方が下されるとき、霊が体から出て、自分をお与えになった方のもとに、再び帰って行く。まず、いと高き方の栄光をたたえるためである。
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79 |
しかし、もしその霊が、いと高き方の道を軽んじて、それを守らなかった者、律法を軽蔑した者、神を畏れ敬う人々を憎んだ者の霊であった場合、
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80 |
その霊は安らぎの場所に落ち着くことができず、以後苦しみの中で常に嘆き悲しみながら、七つの道をさまよい歩くだろう。
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81 |
第一の道は、人がいと高き方の律法を軽んじたゆえに備えられた道である。
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82 |
第二の道は、生きるために良い悔い改めをもはや行うことができない道である。
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83 |
第三の道では、いと高き方の契約に忠実であった人々に蓄えられた報いを見せつけられる。
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84 |
第四の道では、終わりの時のために自分に用意されている懲らしめを思い浮かべる。
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85 |
第五の道では、他の人々の住まいが天使たちによって守られて深い静けさに包まれているのを見せつけられる。
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86 |
第六の道では、彼らの中のだれかが苦しみの中へと移って行くのを見る。
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87 |
第七の道は、以上のどの道よりもつらい道である。この道では、いと高き者の栄光を見て、うろたえながら衰えてゆき、恥ずかしい思いをしてやつれ果て、恐ろしさのあまりしおれてしまう。彼らは生きていたときには、この方の前で罪を犯したのであり、終わりの時には、この方の前で裁かれるのである。
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88 |
さて、いと高き方の道を守った人々の霊が、朽ちる体の器から離れるときの次第はこうである。
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89 |
彼らはその器の中にいたとき、いと高き方に苦労して仕え、立法者の律法を完全に守ろうと、絶えず危険を冒した。
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90 |
だから、彼らに対する言葉はこうである。
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91 |
まず彼らは、自分たちを受け入れてくださったお方の栄光を見て大いに喜び、七つの段階を通って、安らぎを得ることになる。
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92 |
第一段階は、人が自分たちと共に造られた悪い思いによって生から死へと誘われないように、それに打ち勝つため、大いに苦労して闘ったゆえに備えられている。
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93 |
第二段階では、不敬虔な人々の魂がさまよう有様を見、彼らを待ち受けている罰を眺める。
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94 |
第三段階では、生前、信仰をもって受け取った律法を彼らが守ったという造り主の証言が承認されるのを見る。
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95 |
第四段階では、陰府の部屋の中で、天使たちに守られて、深い静けさの中に集まって味わう安らぎと、終わりの時に自分たちを待ち受けている栄光とを知る。
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96 |
第五段階では、今や自分たちが朽ちるべきものから逃れたこと、やがて相続財産を受け継ぐことを喜び、更に、自分たちが窮屈で労苦に満ちた世から救い出されたことを見、今や、不死となって喜びながら、ゆとりを得る。
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97 |
第六段階では、彼らの顔が太陽のように輝き、また、彼ら自身が、星の光のようになっているのが示される。彼らはもはや朽ちるべきものではない。
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98 |
第七段階は、以上のどの段階よりも偉大である。ここでは、人は安心して喜び、信頼して迷うことなく、恐れることなく喜びを味わう。彼らは、生前に仕えた方、やがてその栄光にあずかり、報いをいただくその方の御顔を見に急ぐ。
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99 |
これが、やがて告げ知らされる義人の魂の段階であり、さきに述べたことは、律法をないがしろにした人々がやがて受ける苦しみの道である。」
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100 |
わたしは言った。「それでは魂には、体から離れた後、今言われたことを見る時間が与えられるのですね。」
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101 |
天使は言った。「彼らには七日間の余裕が与えられ、さきに語ったことをその七日間で見て、その後、自分たちの住まいに集められるだろう。」
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102 |
そこでわたしは言った。「もし御好意にあずかっているのでしたら、更に僕にお教えください。裁きの日に、義人たちは、不敬虔な人たちのために執り成しをしたり、彼らのためにいと高き方にお願いしたりすることができるでしょうか。
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103 |
父が子のために、子が両親のために、兄弟が兄弟のために、親族が身内のために、友がその愛する人のためにそうすることができるでしょうか。」
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104 |
天使は答えた。「あなたはわたしの好意を受けたのだから、このことも教えよう。裁きの日は厳かなもので、すべての人に真理の印を示すのである。今でも、父が子に代わり、子が父に代わり、主人が僕に代わり、親友が大切な人に代わって悟ったり、眠ったり、食べたり、病気を治してもらったりすることができない。
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105 |
それと同様に、だれも他人のために赦しを願うことは決してない。人は皆おのおの自分の不正な行い、あるいは正しい行いの責任を負うのである。」
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106 |
そこでわたしは言った。「それでは、どうなのでしょうか。まずアブラハムはソドムの人たちのため、モーセは荒れ野で罪を犯した父祖たちのために祈りました。
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107 |
モーセの後を継いだヨシュアはアカンの時代にイスラエルのため、サムエルはサウルの時代にイスラエルのために祈りました。
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108 |
またダビデは災害のゆえに民のため、ソロモンは聖所にいる人々のために祈りました。
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109 |
エリヤは雨を待つ人々のために、また死人のため生き返るように祈りました。
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110 |
ヒゼキヤはセンナケリブの時代に民のために祈り、またその他の多くの人たちが、多くの人々のために祈ったではありませんか。
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111 |
ですから、滅びる者がはびこり、不正が増し加わっている今、義人たちが不敬虔な人たちのため祈っているのに、どうしてあの裁きの日には、それができないのでしょうか。」
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112 |
天使は答えた。「今の世は到達点ではないのだ。神の栄光は、今の世に常にとどまるものではない。それゆえ力のある者は弱い者のため祈ったのである。
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113 |
裁きの日はこの世の終わりであり、来るべき不死の時代の始まりとなる。その時には、腐敗はもはやなくなる。
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114 |
放縦は解消し、不信仰は断たれ、正義が成長し、真理が現れる。
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115 |
だからその時、だれも、裁きに敗れた者を憐れむことはないし、勝った者を滅ぼすこともできないのである。」
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116 |
わたしは言った。「これは、最初にして最後の言葉です。大地はアダムを産み出さない方がよかったのです。あるいは、産み出したとしても、彼が罪を犯さないように引き留めればよかったのです。
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117 |
今の世では、生きていても悲しむほかなく、死んでからも刑罰しか待ち望めないとしたら、すべての人に何のよいことがありましょう。
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118 |
ああ、アダムよ、あなたはいったい何ということをしたのか。あなたが罪を犯したとき、あなただけが堕落したのではなく、あなたから生まれたわたしたちも堕落したのである。
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119 |
わたしたちに不死の世が約束されていても、いったい何の役に立つでしょう。わたしたちが死をもたらす悪行をしているのですから。
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120 |
永遠の希望が約束されているとしても、わたしたちは最悪なことに、むなしい存在になっているではありませんか。
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121 |
また、快適で安全な住まいが用意されているとしても、わたしたちは悪い方に傾いているではありませんか。
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122 |
また、いと高き方の栄光が清く生きる人たちを守るとしても、わたしたちは最も邪悪な道を歩んでしまったではありませんか。
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123 |
更に、楽園が示されて、そこでは実が腐ることなく実り続け、満足といやしとをもたらしてくれるとしても、
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124 |
わたしたちは忘恩の地で暮らしてきたので、そこに行くことができないではありませんか。
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125 |
あるいはそこでは節制を守った人たちの顔が星よりも輝くとしても、わたしたちの顔は闇よりも暗いではありませんか。
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126 |
この世に生きて不正を行っていたときわたしたちは、死後にどのような苦しみを受けるかなどと、考えてもみませんでした。」
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127 |
天使は言った。「地上に人間として生まれた者は人生の戦いについて、次のことを考えておくべきである。
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128 |
戦いに負ける者はあなたが言った苦しみを受け、勝つ者はわたしの言っている報いを受けるであろう。
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129 |
なぜなら、これこそモーセが存命中、民に教えた道だからである。彼は言った。『あなたは命を選びなさい。そうすれば生きる』と。
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130 |
しかし彼らは、モーセもモーセの後に来た預言者たちも、彼らに語ったわたしをも信じなかった。
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131 |
彼らが滅んでもだれも悲しまないであろう。救いを確実に受ける人々のことで喜びがあるであろう。」
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132 |
わたしは言った。「主よ、わたしは知っています。いと高き方は、今、憐れみ深い方と呼ばれています。それは、まだこの世に生まれて来ない人々を憐れまれるからです。
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133 |
また、情け深い方と呼ばれています。それは、悔い改めてあなたの律法に立ち帰る人々に情けをかけられるからです。
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134 |
また忍耐強い方と呼ばれています。それは、罪を犯した人々を御自分の作品として耐え忍ばれるからです。
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135 |
雅量に富んだ方と呼ばれています。それは求めることよりも与えることを望まれるからです。
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136 |
また、憐れみに富む方と呼ばれています。それは、今の人にも、過去の人にも、将来の人にも憐れみを増し加えられるからです。
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137 |
もし憐れみを増し加えてくださらなければ、この世もそこに住む人々も、生かされることはないでしょう。
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138 |
また赦すお方と呼ばれています。それは、もし不正を犯した人たちをその不正から助け出して慈しみ深く赦してくださるのでなければ、人々の一万分の一も生かされることはないからです。
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139 |
そして、裁き主と呼ばれています。もし、御言葉によって造られた人々を赦さず、多くの罪を消してくださらなかったら、恐らく、数えきれないほどの人の群れの中で、ごくわずかの人々しか生き残れないでしょう。」
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